土蔵の改修工事です。
かなり傷んだ状態の土蔵が生まれ変わったように綺麗になりました。
壁を漆喰で仕上げて僕たちの仕事は終わりの予定だったのですが、施主さんが妻飾りが欲しいということになり、作ることになりました。
こちらは八ヶ岳の麓にある土蔵です。
「麓」の一文字をお好みのデザインから書き起こしました。
漆喰で仕上げた壁に丸い台座を作り、そこへ漆喰で立体にしていきます。どろどろねばねばとした漆喰の水が引いていくと、次第に形が出来ていきます。漆喰彫刻という伝統的な左官の技法になります。
背景の台座の黒い部分は、山梨ではペンキを塗っているものをよく見かけますが、ペンキは安価ですが劣化が早く、結局は高いものになってしまいます。
この妻飾りに使っている黒は素材のそのものの色なので、色が褪せることはありません。
最後は一人で数日間じっくりと向き合わせて頂きました。漆喰彫刻はとても瞑想的な時間です。焦る気持ちや、絶えずに頭に浮かんでくる不安を深い息で吐き出しながら作業に没入することを目指します。
なんとか仕上がって達成感というものを感じそうなものなのですが、大抵は重圧から解放されてやっと息が吐けるような心持ちです。
結局はまた新しい課題や改善点にぶつかることの繰り返しなので、一息ついたら次のことを考えてしまっていて、いつまで経ってもなかなか余韻に浸れるような仕事がまだまだ出来ませんが、それでもとてもご満足して頂けたようで、ホッとしました。
ありがとうございました。
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